こなびすのピクニック

書評、体験談、考えの発信など  -No matter what the weather, we are together-

【感想】伊坂幸太郎『モダンタイムス』-あるキーワードを検索すると不幸に襲われる・・・-

こんにちは。こなびすです。 久しぶりの更新です。 伊坂幸太郎さんの『モダンタイムス』についての感想を書きます。現実味が無い部分も多いですが、流石伊坂さんって感じです。 エンタメ小説として物凄く面白かったです。 読みやすく、先が気になる展開でペ…

【感想】垣谷美雨「老後の資金がありません」-老後の経済的不安軽減のためのヒントになるかも-

垣谷美雨さんの「老後の資金がありません」を読了したので感想を書きます。 いつものことながらネタバレ無しです。 まず、私と同年代30代以降であれば多少は老後について考えを巡らせたことがあるかと思います。 その中でも不安が大きいのはやはり経済的なこ…

【感想】奥田英朗「サウスバウンド」-元過激派の父親はこんな感じ-

こんにちは。こなびすです。 今日は奥田英朗さんの小説「サウスバウンド」について、感想を書きます。 小説は上下巻に渡る長編です。 主人公は平凡な小学生の二郎。 そして、熊のように体格が良く、元過激派の主人公の父親、一郎。 一郎は小説家を名乗り家で…

【感想】森見登美彦 『夜行』 -夜感強めの少し薄気味悪い不思議な物語-

こんにちは。こなびすです。 森見登美彦さんの小説『夜行』を読みました。 好き嫌いが分かれそうな気がします。 夜の暗さが際立っている、不思議な怖さがある小説です。 「ペンギンハイウェイ」等と同じ作者とは思えない、曖昧模糊とした、輪郭がはっきりし…

【感想】桐野夏生『魂萌え!』-59歳の主婦が直面した現実に震える-

こんにちは。こなびすです。 10月に入り秋っぽくなりましたが、大阪はまだ暑いです。 クーラーは辛うじて我慢していますが、まだ扇風機使ってます。。 それはさておき、今日は桐野夏生さんの小説「魂萌え!」(上下巻)の感想です。 面白かったです。一気読…

【感想】垣谷美雨「リセット」-人生やり直しできたら、誰でも想像したことがあるはず-

こんにちは。こなびすです。 垣谷美雨さんの小説「リセット」の感想です。 よくあるタイムスリップものの小説です。 時間を遡るとか、逆に未来に行くとか、時間がループするとか、そういう設定の小説が結構好きなので手に取って購入してみました。 人生に不…

【感想】山崎豊子「大地の子」-中国残留孤児という戦争の被害者-

こんにちは。こなびすです。 今日は山崎豊子さんの小説「大地の子」の感想です。 たまたまですが、終戦記念日も近いタイミングで読み終わったのもあり、戦争の悲惨さと被害者についてよくよく考えさせられました。 恥ずかしながら、中国残留孤児についても全…

【感想】瀬尾まいこ『君が夏を走らせる』-子育ては素晴らしいと思わせてくれる-

こんにちは。こなびすです。 今年の梅雨は、とても梅雨らしく雨が多いですね。 梅雨は明けたら明けたでまた暑い夏ですし、早く秋になってほしいと思う今日この頃です。 今日は、瀬尾まいこさんの小説『気が夏を走らせる』の感想です。 不良の男子高校生が、1…

【感想】角田光代『八日目の蝉』-誘拐犯が実の親以上の愛で子育てすること-

こんにちは。こなびすです。 今日は角田光代さんの小説『八日目の蝉』の感想を書きます。 映画化もされているみたいですが、それも納得の面白さでした。 話の展開も見事です。 主人公は不倫相手の生後間もない子供を誘拐し、逃亡しながら、その子を我が子と…

【感想】石田衣良『美丘』-人生は火のついた導火線である-

こんにちは。こなびすです。 梅雨に入り雨天の日も多いし、気温も高くなってきて、マスクしてるのも苦しくなってきましたよね。 今日は石田衣良さんの小説「美丘」の感想です。 この作品はよくある「恋人が不治の病系」の恋愛小説です。 設定としては珍しく…

【感想】宮下奈都『太陽のパスタ、豆のスープ』-ドリフターズ・リスト作ってみませんか?-

こんにちは。こなびすです。 今日は宮下奈都さんの『太陽のパスタ、豆のスープ』の感想を書きます。 本作の主人公の明日羽(あすわ)は結婚式間近で婚約破棄されドン底にいます。 そんな状況の中で、明日羽はドリフターズ・リストというものを知り、作成する…

【感想】西加奈子『i(アイ)』-想像することは寄り添うこと-

こんにちは。こなびすです。 今日は西加奈子さんの『i』という作品の感想を書きます。 私は5月に入ってからは本作の著者である西加奈子さんの本ばかり読んでました。 ハマるきっかけになったのが、この『i』という作品です。 内容説明に「心揺さぶられる」と…

【感想】服部まゆみ『この闇と光』-何も書けないですが、読んで欲しい名作-

こんにちは。こなびすです。 今日は、服部まゆみさんの「この闇と光」の感想を書きます。 とはいえ、何を書いてもネタバレになってしまいそうでほとんど書けません。 ネタバレになりそうなことは全て避けて書けることを書こうと思います。 前情報無しで読ん…

【感想】秋吉理香子『絶対正義』-融通の利かない正義にイライラしっ放し -

こんにちは。こなびすです。 今日は秋吉理香子さんの小説「絶対正義」の感想です。 正義を絶対的に信じ、実行する高規範子という名の人物が登場します。 例えば、法定速度が時速30kmの道路で、35kmで走行しただけで咎められるってどうでしょうか?意図的に違…

【感想】伊坂幸太郎『終末のフール』-人類滅亡確定時、人は余生をどのように過ごすのか-

こんにちは。こなびすです。 久しぶりの更新です。 緊急事態宣言後に基本的に在宅勤務になったのですが、残業多めです…。 今日は伊坂幸太郎さんの「終末のフール」の感想を書きます。 コロナで暗いニュースばかりの中、人類の終末も可能性としてはあり得るの…

【感想】伊坂幸太郎『グラスホッパー』-個性豊かな殺し屋達が登場する殺し屋小説-

こんにちは。こなびすです。 今日は伊坂幸太郎さんの殺し屋シリーズ一作目の「グラスホッパー」の感想を書いてみます。 自殺屋の鯨、ナイフ使いの蝉、押し屋の槿(あさがお)が主な殺し屋として登場します。 ナイフ使いは殺し屋としてもメジャーなイメージで…

【感想】伊坂幸太郎『マリアビートル』-新幹線を舞台に殺し屋が入り乱れる!-

こんにちは。こなびすです。 今日は伊坂幸太郎さんの殺し屋シリーズの2作目「マリアビートル」の感想です。 シリーズ3作目の「AX」から読み始め、面白かったので、次にこのマリアビートルを買ってみました。 これはこれで、AXとは違った面白さがありました!…

【感想】伊坂幸太郎『AX』-最強の殺し屋が恐れるもの、それは・・・。-

こんにちは。こなびすです。 今日は伊坂幸太郎の小説の「AX」(アックス)についての感想です。 殺し屋が主人公の小説なのですが、これはシリーズ3作目です。 実は、1、2作目はまだ読んでいないです。でも、この作品を読み終えて、非常に面白かったので、1、…

【感想】西加奈子『さくら』-家族とは、命とは…-

こんにちは。こなびすです。 今日は西加奈子さんの小説「さくら」の感想を書きます。 「さくら」の主人公は、仲の良い家族に囲まれ、幸せだった子供時代を経て年を重ねます。でも、兄が亡くなることによって家族の状況が一変します。 家族とは、命とは、生き…

【感想】恩田陸『黒と茶の幻想』-知的な会話が最高。予定調和的な会話にうんざりしている方へ。-

こんにちは。こなびすです。 今日は恩田陸さんの小説「黒と茶の幻想」の感想を書きます。 この小説、「大人版の夜のピクニック」なんて呼ばれることもあるみたいです。 なるほどと思いました。 夜のピクニックは高校生の男女が主人公ですが、この作品はアラ…

【感想】綿矢りさ『私をくいとめて』-脳内の自分との会話は楽しそう!-

こんにちは。こなびすです。 今日は綿矢りささんの小説「私をくいとめて」のご紹介です。 アラサーのOLが主人公です。特にキャラが立っているわけでもなく、特別なスキルや状況があるわけではない、そこここにいそうな女性が描かれています。 ただ、普通の人…

【感想】東野圭吾『秘密』-切な過ぎる名作小説-

こんにちは。こなびすです。 今日は東野圭吾さんの「秘密」の感想を書きます。 この小説、20年以上前の東野作品ですが、めっちゃ好きなんです。 読書が趣味と言えるくらいに小説を読み始めて15年以上経ち、これまで余裕で1,000冊以上読んでいますが、今でも…

【感想】山崎マキコ『ためらいもイエス』-切なかったり笑えたりのラブストーリー-

こんにちは。こなびすです。 今日は山崎マキコさんの小説、「ためらいもイエス」の感想です。 恋愛系の小説なのですが、お堅い話ではなく、ユーモアたっぷりで結構笑えて、温かくなれたりもする。いい話ですし、気軽に読めますよ! ふと寂しさを覚えた主人公…

【感想】橋本紡『空色ヒッチハイカー』-東大受験生が勉強を放り出して兄の残した車で旅に出る。青春です!-

こんにちは。こなびすです。 またまた面白い小説に出会いました。 これだから読書はやめられません。 今日は橋本紡さんの「空色ヒッチハイカー」の感想です。受験勉強を放り出して車で旅に出る。色んなヒッチハイカー達と出会っては別れる。人との出会いには…

【感想】桐野夏生『バラカ』-ベビー・スークで売買された子の壮絶な人生と東日本大震災-

こんにちは。こなびすです。 見ていただき有難うございます。 今年も細々と読了後の小説の感想などを書いていきます。 今日は桐野夏生さんの「バラカ」です。 不運なことに紆余曲折があり、幼い時にベビー・スーク(子供が売買されている市場のことです。)…

【感想】今村夏子『星の子』-両親がカルト宗教の信者だったら…。-

こんにちは。こなびすです。 今日は今村夏子さんの「星の子」の感想を書きます。 今村夏子さんのは「むらさきのスカートの女」で知りました。その作品も不思議な面白さがあったので本作も手に取ってみました。 もし自分の両親が、カルト宗教にはまっていたら…

【感想】住野よる『君の膵臓をたべたい』-余命短い女子と男子の青春小説-

こんにちは。こなびすです。 前回に続き更新が滞っています。読書はしているのですが、最近忙し過ぎて・・・。 家に着くのが22時が定時くらいの勢いです。終電で帰ることもちらほら。定時って何ですか・・・? すみません、言い訳です! それは置いておいて…

【感想】東野圭吾『恋のゴンドラ』-浮かれ気分の不倫旅行、ゲレンデが舞台-

こんにちは。こなびすです。 今日は東野圭吾さんの「恋のゴンドラ」について書きます。 東野さんの作品って真面目な推理小説が多いので、本作も恋愛系とはいえお堅い感じの愛憎劇かなと思ってたのですが、そうではありませんでした。 ラブコメに近く、気軽に…

【感想】芦沢央『罪の余白』 -妻に先立たれ、大事な一人娘も亡くした男はどうなってしまうのか-

こんにちは。こなびすです。 今日は芦沢央さんの「罪の余白」の感想を書きます。 愛する妻を失い、それだけでなく、残った大事な一人娘も失ってしまう。 自分がそんな状況になったらと考えると辛すぎます。。。 以下、紹介文の引用です。 内容(「BOOK」デー…

【感想】池井戸潤『民王』 -政治に興味無い人にこそ読んで欲しい政治エンタメ!-

こんにちは。こなびすです。 最近残業が多すぎて更新が滞っていました。。。 今日は池井戸潤の小説「民王」(たみおう)の感想です。 池井戸さんは数年前に世間で流行っていた半沢直樹シリーズの作者です。そのシリーズも好きで楽しく読んだのがきっかけでこ…