こなびすのピクニック

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【感想】東野圭吾『恋のゴンドラ』-浮かれ気分の不倫旅行、ゲレンデが舞台-

こんにちは。こなびすです。

 

今日は東野圭吾さんの「恋のゴンドラ」について書きます。

 

東野さんの作品って真面目な推理小説が多いので、本作も恋愛系とはいえお堅い感じの愛憎劇かなと思ってたのですが、そうではありませんでした。

 

ブコメに近く、気軽に読めます。なので、小難しいのが苦手な方にもおススメできますし、面白かったです!

 

ただ、逆に、多くの東野圭吾作品の重厚な感じを期待している方や、浮気とか不倫に嫌悪感を持ってる人は読まない方がいいかもしれません。。。

 

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内容(「BOOK」データベースより)

都内で働く広太は、合コンで知り合った桃美とスノボ旅行へ。ところがゴンドラに同乗してきた女性グループの一人は、なんと同棲中の婚約者だった。ゴーグルとマスクで顔を隠し、果たして山頂までバレずに済むのか。やがて真冬のゲレンデを舞台に、幾人もの男女を巻き込み、衝撃の愛憎劇へと発展していく。文庫特別編「ニアミス」を収録。

 

主な登場人物

広太:リフォーム会社勤務。本命の彼女がいるが、隙あらば浮気しようと画策している。

 

美雪:広太と同棲中で結婚したいと思っている。同じリフォーム会社に勤務していて広太と出会う。なかなかの美人。

 

桃美:広太と合コンで出会って付き合い始める。肉感的な美人。デパートの化粧品売り場で働いている。性格も悪くない。

 

以下、シティホテル勤務の仲良しグループ。

 

日田:いい人ではあるが、いまいちぱっとしないため、彼女がなかなかできない。空気を読めないところがある。スノボではスピード狂。

 

水城:長身のイケメン。日田の同僚であり親友。プレイボーイで口が上手い。誰からも好かれている。友達想いでもある。

 

月村:日田達の後輩。

 

秋菜:ブライダル担当。しっかりしている女性。

 

麻穂:外見がぱっとしない。おっちょこちょい。

 

人との関係はネタバレになりそうなので、人物紹介はめっちゃ適当になりました。。

皆、30歳前後の男女です。

 

感想

帯に「貴女ならどんな罰を与えますか」とか書いてたのですが、ミステリーの印象が強い東野圭吾なので、登場人物が想像もつかないような罰を与えるんだろうか、なんか怖い、とか想像しながら買いました。。

 

でも、冒頭でも書いたのですが、気軽に読めるラブコメに近い感じでした(笑)

 

舞台は基本的にスキー場です。

 

会社の男女の同僚でスノボに行くとか、なかなかリア充で楽しそうなシチュエーションですよね。

 

スノボの用語とかも結構でてくるので、スノボ好きな人なら場面も明確にイメージできて、更に共感できて楽しめるかもしれません。

 

人間関係の中で、まじめな恋愛があったり、結婚を考えている人がいる一方で、遊ぶことしか考えてなかったり、なかなか恋人ができないと悩んでいたり、身近な人の恋愛話を聞いてるような面白さがあります。

 

スキー場で合コンをする「ゲレコン」の話があったり、サプライズでプロポーズを決行するために仲間で協力するシーンがあったり、ストーリーにも飽きさせない工夫があり、且つ、内容にも一捻り、二捻りあり、構成について、流石東野圭吾だなって感じです。

プロポーズの件も、思わずニヤけさせられたりします。

 

結果はどうなるかは読んでみてくださいね。

 

でも、やっぱり浮気や不倫を画策する話は面白いです(笑)

 

お泊りのための準備のあれこれ、パートナーの動向を気にしたり、友人に協力を仰いだり。

 

滑稽過ぎると思いつつ読んでました。

 

実際に浮気相手の女性と会っている時も、どういう風にいい感じに持っていこうかという、恋愛初期の浮ついた気分が上手いこと表現されています。

 

恋人がいようが、結婚相手がいようが、あわよくば別の女性と関係を持とうとする男心が巧みに描かれています。

 

非常に面白かったので、こういう軽いノリの恋愛系も東野さんにもっと書いて欲しいなと思いました。