【感想】伊坂幸太郎『マリアビートル』-新幹線を舞台に殺し屋が入り乱れる!-
こんにちは。こなびすです。
今日は伊坂幸太郎さんの殺し屋シリーズの2作目「マリアビートル」の感想です。
シリーズ3作目の「AX」から読み始め、面白かったので、次にこのマリアビートルを買ってみました。
これはこれで、AXとは違った面白さがありました!
魅力的で個性的な殺し屋達が登場します。
疾走感がある展開で、一日でイッキ読みしてしまいました笑
内容(「BOOK」データベースより)
幼い息子の仇討ちを企てる、酒びたりの元殺し屋「木村」。優等生面の裏に悪魔のような心を隠し持つ中学生「王子」。闇社会の大物から密命を受けた、腕利き二人組「蜜柑」と「檸檬」。とにかく運が悪く、気弱な殺し屋「天道虫」。疾走する東北新幹線の車内で、狙う者と狙われる者が交錯する――。小説は、ついにここまでやってきた。映画やマンガ、あらゆるジャンルのエンターテイメントを追い抜く、娯楽小説の到達点!
感想
ほぼ新幹線の中だけで話が進みます。
息子の仇討ちとして、元殺し屋の「木村」は中学生の「王子」を狙い、気弱で運が悪い殺し屋の「天道虫」は、別の殺し屋のペア「蜜柑」と「檸檬」が闇社会の大物の依頼を受け入手した荷物を狙います。
更に別の殺し屋達なんかも登場し、この新幹線の中は何人の殺し屋がいるんだとおっかない状況になります。
自分が新幹線乗った時に、周りにそんなに殺し屋がいたらぞっとするなと思いながら読んでました。
新幹線の中なので、一般人に騒がれることがないように細心の気を配りながらそれぞれが行動します。
新幹線の中だけの展開で全く飽きさせず、これだけ読ませてくれるのは凄いと思いました。
見事なストーリー展開です。
で、檸檬と蜜柑。彼らが個人的には一番好きでした。
檸檬は気性が荒いタイプで、機関車トーマスが好きで、トーマスのキャラクターの説明だったり、作中の台詞などを引用します。
彼のおかげで、トップハム・ハット卿とか、耳に残るキャラクター名も覚えてしまいました笑
一方で、蜜柑は冷静沈着、文学を愛しており小説などをよく読んでいます。
2人はお互い凄腕であるものの、性格は正反対で相性が悪いように見えて、実は、根っこの部分で認め合ってて、双子のように相性がいいのが良かったです。
で、王子。
彼は中学生ながら狡猾で、人が傷つこうが死んでも何とも思わないような悪意の塊みたいな人間です。
表面的には美男子でいかにも真面目な優等生タイプを演じています。
そして、自分が楽しむために、周りをひっかきまわすのですが、頭が良すぎるだけにタチが非常に悪いんです。
読み進めていく中で、殺し屋達を応援し、早く彼に制裁を加えてやってくれと願わずにはいられませんでした。
木村が息子を想う気持ちや彼の人間関係、天道虫のありえないほどの運の悪さなど、他にもいろいろな要素が絡み合って、どんどん話が交錯していきます。
誰がどのようにして、生き残り、はたまた、やられるのか。
先の展開が気になります。
グラスホッパーは映画化されていたみたいですが、これは映画化されてないんですかね。こちらの方が映画で観たい気がしました。
ちなみに、マリアビートルの後にシリーズ一作目のグラスホッパーも読んだので、またの機会に感想を書こうと思います。
読んで頂き有難うございました!