【感想】今村夏子『むらさきのスカートの女』 -芥川賞受賞作 気になる系小説-
こんにちは。こなびすです。
今日は今村夏子さんの「むらさきのスカートの女」の感想です。
芥川賞受賞作なんですが、皆さんは読まれましたか?
本屋で平置きされていて、表紙が気になったので気になって買ってしまいました。
本文もとにかく先が気になります。
あらすじ(「BOOK」データベースより)
近所に住む「むらさきのスカートの女」と呼ばれる女性のことが、気になって仕方のない“わたし”は、彼女と「ともだち」になるために、自分と同じ職場で彼女が働きだすよう誘導する。『あひる』、『星の子』が芥川賞候補となった話題の著者による待望の新作中篇。
主な登場人物
わたし
主人公です。むらさきのスカートの女のことが気になっています。
黄色いカーディガンの女と自称しています。むらさきのスカートの女を観察しています。
むらさきのスカートの女
わたしの近所に住んでいます。町中で有名?です。公園のベンチでよくパンを食べています。
感想
感想をどう書けばいいのか悩みます。
スラスラ読めて、買った当日に読み終えました。そのくらい面白いです。
ですが、どこがどう面白かったか聞かれるとなかなか答えにくい、不思議さがある小説です。
あらすじだけでも読んでいただければ、結構どんな内容なのだろうと気になると思います。
その気になる感じがずーっと続きます。
この話はどんな感じのラストを迎えるのか・・・と、気になって読み進めてしまいます。
読み終えてから振り返ってみると、「わたし」に対する情報がかなり少ないため、読者はいろいろと想像させられることは間違いないです。
それが少し不気味だったり滑稽だったり、なんとも言えない興味深さを醸し出しています。
この小説から何を読み取るかは人によって結構異なってくると思います。
抽象画みたいなイメージを持ちました。
ぼんやりしたテーマはあるものの、それが明確には何かわからないような。
ちなみに、いくつかレビューを見ている中で、読んだ後に表紙を見てゾッとした、みたいな記載があったのですが、私は何も思いませんでした(笑)
緻密に描写する小説も多い中で、上手い具合に情報を出し過ぎず、想像する余地を多くすることで、読む楽しさを与えているように思えます。
気になる小説でした、その一言です。