【感想】山崎マキコ『ためらいもイエス』-切なかったり笑えたりのラブストーリー-
こんにちは。こなびすです。
今日は山崎マキコさんの小説、「ためらいもイエス」の感想です。
恋愛系の小説なのですが、お堅い話ではなく、ユーモアたっぷりで結構笑えて、温かくなれたりもする。いい話ですし、気軽に読めますよ!
ふと寂しさを覚えた主人公のように、結婚適齢期の女性なら更に共感できることも多いんじゃないかと思います。
あらすじ(「BOOK」データベースより)
わたしは仕事以外になにもない、さっぱりとした日常をいたく気に入っていたはずだった―二十八歳にして処女、仕事ひとすじの奈津美に訪れた予想外のモテ期。三人の男を前に、はたして彼女は、棒に振ってしまった思春期を取りもどすことができるのか。愛すべき恋愛音痴のための可笑しくて、やがて切ないラブストーリー。
感想
以前に同著者の「さよなら、スナフキン」を読んだことがあって結構面白かったので、この小説も本屋で見かけて手に取ってみました。
結果、読んで良かったです!
ラブコメっぽい話です。
主人公は美人にも関わらずファッションに疎く、仕事一筋で生きてきたキャリアウーマンの奈津美という女性です。
性格的な事のみならず、環境に若干問題があったこともあり、同年代の男女でわーわー騒いだり、いかにも青春、のような思春期を過ごさず、おとなしく過ごしてしまった主人公。
そんな彼女は仕事に邁進していましたが、ふとした時に寂しさを感じ、結婚したいと思い始めます。
まずは、母親がセッティングしたお見合いをきっかけに、社内の男性等、何人かの男性と出会うことになります。
今思えば、主人公の性格等はよくありそうな設定のような気がします。
でも、主人公の周りのキャラがかなりいい味を出しています。
その中でも私のイチオシは、主人公をめっちゃ慕っている後輩の「青ちゃん」という女性です。
この娘が面白いんです。
主人公のことを「姐さん」と呼び、一人称は「おいら」「あっし」、語尾は「~ですぜ。」みたいな江戸っ子口調を多用する感じです(笑)
で、言動も面白いんですよ。
明るく物怖じしない性格で人懐っこいので情報通でもあります。
恋愛においては主人公の背中を押し、常に親身である。
主人公とは社内チャットで、休憩のタイミングを合わせて一緒に休憩したりよくしてます。
盛り上げ役であり、相談役でもあり、親友のような後輩です。
彼女のような後輩がいたら、さぞ幸せだろうなと思います。
あと、主人公がギンポ君と呼ぶ男性もいい味出してます。
どんないいキャラかと、説明すると長くなりそうなので割愛します(笑)
主人公の恋愛の方は、モテ期に入るのですが、恋愛経験が少ないだけに悩みながら少しずつ前進します。
ユーモラスな部分も多いですが、かといって大雑把な話でもなく、恋愛以外にも悩みの種があったり、心の機微も丁寧に書かれています。
シリアスとユーモア。いい感じにミックスされている作品だと思います。
やはり恋愛はいいなぁと思わせてくれる小説でした。