【感想】新海誠『小説 秒速5センチメートル』 -小学校で出会った2人 切ない初恋-
こんにちは。こなびすです。
新海誠さんの「小説 秒速5センチメートル」の感想を書きます。
君の名はのアニメ映画で新海誠さんを知り、かつての作品も気になり小説版を買ってみました。純粋であまりに繊細な恋心に心が揺さぶられます。
この小説は、小学生~中学時代、高校時代、就職後についての3編で構成されています。
内容(「BOOK」データベースより)
「桜の花びらの落ちるスピードだよ。秒速5センチメートル」いつも大切なことを教えてくれた明里、そんな彼女を守ろうとした貴樹。小学校で出会った2人は中学で離ればなれになり、それぞれの恋心と魂は彷徨を続けていく―。劇場アニメーション『秒速5センチメートル』では語られなかった彼らの心象風景を、新海誠監督みずからが繊細な筆致で小説化。1人の少年を軸に描かれる、3つの連作短編を収録する。
感想
いきなりどうでもいいのですが、私も初恋が小学生の時だったので、その時の純粋な気持ちを思い出しました・・・。
ちなみに、本作のアニメ版は観ていないのですが、かなり観たい気持ちが強くなりました。
この小説も面白くて一気読みしてしまいました。なので、アニメ版も間違いなく面白いと思うからです。
どんな風に映像化されているのか非常に気になっています。
この小説版だけでも印象的で綺麗なシーンがたくさんありました。
画像のこの本のカバーのイラストもかなり好きです。小学生時代の2人が桜並木の下を手を繋いで歩いているっていう。
なんか読み終わった後だと、この表紙を観ると泣きそうになります。
貴樹と明里の純粋な気持ちに心が打たれます。そして、それほどまでに想い合っている二人ですが、親の都合で引っ越さねばならず離ればなれになってしまいます。
で、二人とも勿論少しずつ大人になっていくのですが、あまりに大きな出会いだったため、大人になるまでの間だけでなく、大人になってからも、かつての想いを胸の底に秘めたまま時を過ごしていきます。
個人的には2話目の「コスモナウト」が好きでした。
舞台は貴樹が引っ越した先のとある島に移ります。
2話の主人公は前述の2人とは全く別の、澄田花苗という女子高生です。
彼女は同級生の貴樹に片思いをしています。
切ないんです。彼女の真っ直ぐな気持ちが。
学校の帰りに貴樹を待ち伏せしたりして、客観的には若干重めなんじゃないかと思わないでもないですが、それくらい貴樹のことが好きなんです。
そして貴樹は彼女の気持ちには気づいているけど、、、って感じです。
花苗の恋が実って欲しいと願わずにはいられないくらい、真っ直ぐで綺麗な恋心に胸を打たれました。
二人で一緒に帰っているシーンとかもあるんですが、青春です。
甘酸っぱいです。
青春系、恋愛の小説が好きな人はきっと好きだと思います。
若いっていいなぁ、そして、恋愛もやはりいいなと改めて思わせてくれたとても良い小説でした。