【感想】宮下奈都『太陽のパスタ、豆のスープ』-ドリフターズ・リスト作ってみませんか?-
こんにちは。こなびすです。
今日は宮下奈都さんの『太陽のパスタ、豆のスープ』の感想を書きます。
本作の主人公の明日羽(あすわ)は結婚式間近で婚約破棄されドン底にいます。
そんな状況の中で、明日羽はドリフターズ・リストというものを知り、作成するのですが、ドリフターズ・リストって知ってますか?
ドリフターズは漂流者を意味し、ドリフターズ・リストとはやりたいことリストのことです。
(ドリフターズって、私はいかりや長介の有名なグループが思い浮かびました笑)
漂流者の道標となるようなリストです。
このリストに書いたことを実行していくことにより、彼女は少しずつ少しずつ立ち直っていきます。
内容(「BOOK」データベースより)
結婚式直前に突然婚約を解消されてしまった明日羽。失意のどん底にいる彼女に、叔母のロッカさんが提案したのは“ドリフターズ(やりたいこと)・リスト”の作成だった。自分はこれまで悔いなく過ごしてきたか。相手の意見やその場の空気に流されていなかっただろうか。自分の心を見つめ直すことで明日羽は少しずつ成長してゆく。自らの気持ちに正直に生きたいと願う全ての人々におくる感動の物語。
感想
全体的に優しい雰囲気の物語です。明日羽もふんわりした性格です。
明日羽はすごくいい人なので、婚約破棄されたとか不憫でなりません。
別れは辛いですよね。
家族や職場、彼女の周りの人達もいい人達が多いです。
特にユーモラスな叔母であるロッカさん。
独身で飄々としていて、事あるごとに明日羽の元に通います。主にごはんを食べにですが。(ロッカさんって、外国人かなと思いましたか?六花さんでロッカさんです。)
明日羽は、ロッカさんにドリフターズ・リストのことを教わります。
始めはリスト作成にも乗り気でなかったものの、作成後は少しずつクリアしていき、新たなやりたいことを追加する等、中身も更新していきます。
彼女がどんなことをリストに書き、実行していったのかは読んでみて下さい。
新たなことに挑戦したり、それを継続することによって人間関係然り、考え方然り、徐々に彼女自身にも変化が表れ、立ち直っていきます。
新しいことをしたり、普段しないことをするようになると気づきもありますよね。
そういう気づきを得たり、会社と家を往復するだけだと出会わない人と出会えたり、何か新しいことをするのは、人生に刺激とまではいかないまでも、何かしら新鮮さを与えてくれるものだと改めて思いました。
そして、ドリフターズ・リストを作ってみようかなとも思いました。
実現させていくのも楽しそうだなって。
何をするにも前向きになれないような人は読んでみて損は無いと思います。
いきなり婚約破棄される場面から始まるのですが、全体的に暗い雰囲気でもないので、気軽に読めます。
何か悩み事があったり、人生をつまらなく感じている人にとって、そっと応援してくれるような小説ではないかと思います。