【感想】恒川光太郎 『スタープレイヤー』 -もし10の願いを叶えることができたら-
こんにちは。こなびすです。
あなたはもし10の願いを叶えられるとしたら何を願いますか?
恒川光太郎「スタープレイヤー」についてご紹介します。
主人公の34歳の女性は、怪しげなくじ引きで一等賞を当て、異世界に飛ばされるものの、10の願いを叶えれれるスタープレイヤーに選ばれます。
死者も蘇らせることができたり、ほぼ何でもありの神に近い能力が与えられます。
ただ、祈ってすぐに願いが叶えられるわけじゃなくて、スターボードと言われるタブレットのような板に文章に願い事を書かないといけないとか制約もあります。
(叶えられることに対してあまりに些細なことですよね。)
最近流行りの異世界転生ものって気がしてなんとなく敬遠してたのですが、本屋でたまたま見かけて裏表紙の解説に惹かれて買ってみました。
結果として、めっちゃ面白かったです。
平日、次の日が仕事にもかかわらず、先が気になって夜中2時過ぎまで読んでしまいました。(普段23時半くらいに寝ます。)
いきなり荒野に放り出され、地球上にはいない獣もいるし、言葉が通じない現地人もいるし、なかなか危機的な状況にも遭遇します。
そんな中、願いを叶えることによって、乗り越えようとしますが、無限に叶えることができるわけではなく数が限られているのでしっかり思考するわけですね。
中には、なんて無駄なことを願うんだ、もったいな過ぎるやろ・・・。って思うものもあったり、人間的な欲望そのままの願いだったり。全く思いつかなかったようなそんな願いもありなのか、と驚いたり。
次はどんなことを願うんだろうかと予想したり、自分ならこんな状況だとどんな願いにするだろうかと考えながら読めたのが非常に面白かったです。
また、未開の地を馬で探索する状況もあり、主人公と一緒に冒険している気分で読めました。
ページの最初に異世界の概要地図が描いてあって、新たな地名が出てきたときは、振り返ってその地図を見たり、世界観もしっかり作り込まれている感じです。
その世界ではスタープレイヤーの存在を知っている人もいるし、人との関わりも勿論あるわけで、心の内の探り合いとか心理描写も上手く記載されてます。
全体的に読みやすい文章で書かれているので、気軽に読める小説が好きな人や、ファンタジー系が好きな人にはおススメできます!
ちなみに、読んでる途中で続編もあると知り、すぐに本屋に買いに行きました!
続編のヘブンメーカーもレビューを書く予定です。